成虫の体長は3cm-7cmほどで、細長いヒョウタンに長い触角と脚が生えたような形をしている。頭部と前胸部は前方に細長く伸び、大顎が発達している。触角は細長く体長の半分ほど、脚も細長いががっしりしていて。後胸部と腹部は背面が膨らんだドーム状で、前翅の先端がとがる。基本的に全身がつやのない黒色だが、体の大きさや前胸部および頭部の色彩が地域や亜種によって大きく異なる。左右の前翅は羽化後にそのまま融合してしまい開くことができない。さらに後翅も糸状に退化しているため飛ぶことができないため、他地域個体群との交雑が起こらず各地域個体群が独自の種分化をした結果、亜種が多くなったといわれている。
長い脚で活発に歩行するが、危険を感じると尾部からメタアクリル酸とエタアクリル酸を主成分とし、強い酸臭のある液体を噴射する。この液体は刺激が強く、手はともかく目に入ると大変な痛みを感じ、炎症を起こす。後方だけでなく上方にも噴射できるので、むやみに手で抑えつけたり顔を近づけたりしないよう注意が必要である。
カタツムリを見つけると大顎で軟体部に咬みつき、消化液を注入して消化、溶けた軟体部を食べる。前方に細くなった頭部と前胸部も、殻の中に引っこんだカタツムリを食べるために発達した適応とみられる。マイマイカブリという和名も、カタツムリの殻に頭部を突っこんで捕食し、まれに首が抜けずにジタバタしている様が「マイマイ(カタツムリ)をかぶっている」ように見えることに由来する。軟体部を食べやすくするために殻を殻口から大顎で咬み破ることもある。
マイマイカブリの幼虫もカタツムリ食で、それぞれの齢で1回のみの捕食で次の齢に進むのに充分な食物を得ることもでき、その場合は孵化してから成虫になるのにたった2個体のカタツムリを摂食するだけで済むことになる。
基本的に虫が苦手な人は、脚が細長くトゲトゲしていて触角も長く、全身も黒光りしている等、もの凄く苦手な要素の多い昆虫であるが、何故か美術関係の人には絶大な人気があり、絵画やオブジェのモチーフ、写真の被写体などに使われることが多々ある。作者自身、この昆虫のシルエットと<飛ぶことを忘れ、地面を疾走する事に特化>した進化のしかたに憧れ、昔からモチーフにしたいと思っていた昆虫の一つである。